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奈良ホテルで収蔵絵画展 「天鵞絨(ビロード)友禅」初出展、館内美術品ツアーも

(右)見どころの「天鵞絨(ビロード)友禅」 (左)「上村松園の『花嫁』は本館ロビーに飾られている」と藤田さん

(右)見どころの「天鵞絨(ビロード)友禅」 (左)「上村松園の『花嫁』は本館ロビーに飾られている」と藤田さん

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 奈良ホテル(奈良市高畑町、TEL 0742-24-1151)は、収蔵絵画展「Be Road ~天鵞絨友禅と奈良ホテル110年の軌跡~」を2月3日から、新館「若草の間」で開催する。

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 「関西の迎賓館」として国内外の要人たちを迎えてきた同ホテルは、約100点の美術品を収蔵し宿泊客から「美術館のようなホテル」と言われるように、館内や客室など至る所に装飾している。

 絵画展は9年ぶり4回目。「ビロード友禅」8点、日本画の中村大三郎「美人舞妓(まいこ)」、堂本印象「春日山」、横山大観の団扇(うちわ)画など計14点が並ぶ。

 見どころは「ビロード友禅」の中でも「竜田紅葉」と「雉(キジ)」の2つの作品。ホテル開業1年前の1908(明治41)年、その後ホテルを経営する鉄道院が購入したと思われる。メインダイニングルーム「三笠」で向かい合わせに飾られていたが、その価値や技法は不明だった。同志社大学文学部・清瀬みさを教授が食事に訪れた際、目に留まったのがきっかけとなり千總(ちそう)文化研究所による調査で2017(平成29)年、「ビロード友禅」と判明した。

 「ビロード友禅」はビロード地に友禅染を施し、一部を起毛することで立体感や風合いの違いを出す染織品。一見絵画の様だが独特な味わいがあり、日本的花鳥・動物・風景などを表した作品。西洋でも注目を浴び、明治後期から大正にかけ、美術品や室内装飾品として人気を博したといわれる。

 営業企画課長の藤田昌宏さんは「普段は客室などに飾っているため、なかなか目にすることのできない作品を集めた。間近で細かなディテールなどを、ゆっくりと鑑賞していただける」と話す。

 来場特典として、創業110周年記念、牛乳石鹸とのコラボ限定パッケージ「赤箱」(非売品)を進呈する。先着200人。会場で配布するパンフレットの提示で、ランチビュッフェおよびティーラウンジのケーキセットが10%引きになる(2月29日まで)。

 4日14時から、千總文化研究所所長の加藤結理子さんが「ビロード友禅」について解説するギャラリートークを開く。定員は先着50人。

 ホテルスタッフが美術品とそれらにまつわる話をしながら本館を案内し、クラシックな客室の特別見学もできる「館内ツアー」も期間中毎日、13時30分から行う。本館ロビーや2階回廊などの絵画や調度品は自由に見学可能。

 藤田さんは「地元の人にも気軽にホテル館内を見学していただき、クラシックホテルならではのゆっくりとした時間の流れを体感してほしい」と呼び掛ける。

 9時30分~19時(最終日は17時まで)。入館無料。2月8日まで。

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