「やまと尼寺 精進日記」第2弾書籍刊行記念トークショーが1月5日、DMG MORIやまと郡山城ホール(大和郡山市北郡山町)レセプションホールで行われた。主催は「よもやーろプロジェクト」。
同プロジェクトでは、啓林堂書店、なら三原色の会、NPO文化創造アルカ、京阪奈情報教育出版の4団体がそれぞれの特色を生かし啓林堂書店奈良店(奈良市西御門町1)を拠点に「奈良の書店だからできる奈良の魅力発信」をテーマにさまざまな企画を行っている。
今回は、桜井市の山中にある尼寺・音羽山観音寺の日常や訪問者との交流、豊かな季節の恵みを使い知恵と工夫で作る精進料理、笑顔あふれる日々の営みを紹介するNHK・Eテレで放送中の番組を書籍化した「やまと尼寺 精進日記 2」刊行を記念しトークショーを企画した。
会場では、後藤密榮住職、佐々木慈瞳(じとう)副住職、手伝いのまっちゃん、山の麓に住む堂上潤子さん、NHKの女性ディレクター3人が番組秘話などを披露した。滋賀や大阪などからも番組のファンや愛読者が訪れ、定員150人の満席となった。
「番組では、尼寺で生活する彼女らのちょっとした日常生活でも楽しんで暮らしている姿に、なごみパワーをもらえるなどの感想が多い」と番組ディレクター。トークショー会場では、登壇者らが「いつも(番組)は自分たちのフィールドの寺なので思うようにしているが、壇上ではみんなすごく緊張している」と話すと、それを察知した慈瞳さんが、オカリナ演奏や編み物の実演をしたり、皿回しをリレーしたりと持ち前のユーモアと機転で場を和ませる様子も見られ、番組での笑顔あふれる日常の秘訣が心配りにあるということを感じさせる一幕もあった。
慈瞳さんは「番組ではご飯を作って食べているシーンが多いが、今日は寺の観音様の話しもできてよかった。ご縁をいただいたみなさんの何かの支えにつながったり、これをきっかけに寺に行ってみようかなと思ってもらえたりすればうれしい」と話す。
参加者からは「制作秘話を聞けてよかった」「出演者に実際に会うとあたたかい人柄が伝わってきた。ぜひ寺を訪れてみたい」などの声が聞かれた。
啓林堂書店の林田芳幸社長は「本を提供するだけでなく、お年寄りから子どもたちまであらゆる世代の人へ、心休まる何か、プラスアルファを届けていきたい」と話す。
よもやーろプロジェクト代表の榎森彰子さんは「本は開いた時の香りや持った時の重さ、めくるページの紙質や装丁の美しさなど五感を刺激しながら選ぶ楽しみがある」と話す。「ネットで本を買うのは楽になったが、店に出向き本を手に取りどの本にしようかと過ごす時間の豊かさも忘れないでほしい。これからも本との出合いをセッティングしていきたい」とも。