東大寺(奈良市雑司町)で8月7日、「奈良の大仏」として知られる本尊「盧舎那仏坐像(るしゃなぶつざぞう)」にたまった1年分のほこりを払う夏の恒例行事「お身拭い」が行われた。
7時から大仏殿で筒井寛昭(かんしょう)別当らにより大仏の魂抜きの法要が営まれた後、二月堂の湯屋で身を清めた約180人の僧侶らが、わら草履に白装束姿でほうきやはたきを使い丁寧にほこりをはらった。
約15メートルの高さがある大仏。頭部の掃除は、僧侶が頭に登り螺髪(らほつ)に腰を掛けるなどして払い、顔や上半身は天井から縄でつるしたゴンドラに乗って隅々まではたきをかけると黒く輝くつやを取り戻し、参拝者らはすっきりとした表情を浮かべる大仏に手を合わせていた。
初めて訪れたという奈良市在住の68歳の主婦は「ほこりの量がすごかった。人が近くにいることで大仏さまの大きさを実感できてよかった。きれいになって良かった」と話していた。
大仏のお身拭いは1964(昭和39)年から毎年行われるようになったが、それまでは別当の任期中に一度行われる程度だった。