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奈良に新観光スポット「からくりおもちゃ館」-町家を利用、体験工房も

からくりおもちゃで遊ぶ来場者

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 近鉄奈良駅の南に位置する旧市街地・奈良町に4月28日、「奈良町からくりおもちゃ館」(奈良市陰陽町、TEL 0742-26-5656)がオープンする。

「奈良町からくりおもちゃ館」の外観

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 奈良町の活性化、奈良の観光振興に役立ててもうらおうと、2007年に奈良市に寄贈された1890(明治23)年ごろに建てられた旧松矢宅を利用した同館。からくりおもちゃは、奈良大学で歴史学の研究の一環で約25年にわたり「からくりおもちゃ」の研究を行い、江戸時代のからくりおもちゃを復元してきた元同大学教授の鎌田道隆さんが寄贈したもので、点数は618点に及ぶ。

 同館は、古い町家の雰囲気を残したまま耐震工事を行った「展示と遊びのスペース」(母屋)と、庭に今回新たに新設した体験工房から成る。延べ床面積は265.19平方メートル。 

 当日の展示スペースには、板の端を持つと表の絵が現れ、手を返すと板が順に裏返り裏の絵が現れる「パタパタ」「板返し」などとも呼ばれる「かくれびょうぶ」。猫とねずみの追いかけっこを表現した「猫とねずみ」、砂が落下する力を利用して人形に鐘を打たせる「鐘打ち人形」など約20点を並べる。これらのおもちゃは自由に遊ぶことができ、子どもはもの珍しいおもちゃに興味深く見入り、大人は懐かしみながらおもちゃを触っていた。

 開館を翌日に控えた27日に行われた開館式典で、福井重忠奈良市副市長が「観光客と地元の皆さんの憩いの場として活用してもらいたい。奈良町の活性化につなげていければ」と期待を寄せた。

 式典後、NPO法人「からくりおもちゃ塾奈良町」理事長で、同館の名誉館長でもある鎌田さんが記念講演を行った。「からくりおもちゃには日常生活の知恵が取り込まれている。動きがのんびりしている『間』と『人間的なしぐさを織り込んでいる』ところがからくりおもちゃの魅力」と話した。

 開館時間は9時~17時。水曜休館(祝日は開館)。

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