奈良・登彌神社で「粥占い」-竹筒に入った粥の詰まり具合で農作物の豊凶占う

竹筒を割る年番総代の地元住民

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 登彌神社(奈良市石木町)で2月1日、竹筒に入った粥(かゆ)の詰まり具合で今年の農作物の豊凶を占う「筒粥祭・粥占い」が営まれた。

粥占いの結果(関連画像)

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 同祭は、300年以上続く伝統行事で奈良市の無形文化財にも指定されており、占いも「よく当たる」といわれている。

 5時から行われた前祭の後、鉄製の大釜に米2升、小豆1升、20センチほどの竹筒37本を入れて釜を炊き、どんどんと焚き木がくべられる大釜からはモクモクと煙が上がる。

 境内にも多くの参拝者が集まり、空が少しずつ明るくなり始めた6時30ごろに炊き上がった釜から宮司が竹筒を取り出した。

 7時から、氏子や関係者らにより拝殿で祝詞奏上などの祭祀(さいし)が営まれた後、竹筒を小刀で割り中の米と小豆の詰まり具合から上・中・下の3段階をさらに上・中・下で区分する計9段階で占う。

 農業を営む参拝者らも心配そうに見守る中、1つ1つ竹筒が割られると、今年は中身がほとんど入っていない竹筒も目立ち、その度に参拝者からはため息が漏れた。37品目の占い結果が次々と発表され、米に関しては品種によっては「上の上」もあったが、この地域でよく作られている「ヒノヒカリ」は「下の下」という結果になった。

 地元で農業を営む66歳の男性は「(悪い結果になったが)心構えができて良かった。猛暑なのか台風なのかどういう天変地異があるのかわからないが、猛暑になるなら田植えの時期を遅らせるなどの対応をしなければ」と話していた。

 その後、炊き上がった小豆粥が参拝者に振る舞われ、参加者は熱々の粥に舌鼓を打った。

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