「なら100年会館」(奈良市三条宮前町)で7月29日、「第16回全国女性消防団員活性化奈良大会」が開かれ、全国から約2500人の女性消防団員や関係者らが集まり、意見を交換し意識の向上を図った。
大会では、活動事例の発表や工夫を凝らした演劇などの披露があり、「住宅用火災警報器をつけよう~嫁姑編」と題した兵庫県加古郡播磨町消防団の劇では、団員のコミカルな演技が会場の笑いを誘い、図を利用した解説やクイズなども取り入れて分りやすく住宅火災警報器の設置を促した。
その後、「多様化する女性消防団員活動」をテーマとしたパネルデスカッションを開催。日本消防協会の秋本敏文理事長がコーディネーターとなり、パネリストの奈良市消防団・分団長の安田美紗子さん、学生で消防団員の愛媛県松山市消防団・団員の岩崎沙耶さん、長野県下諏訪町消防団女性消防隊・隊長の両角真由美さん、秋田県鹿角市消防団・団員の奈良日佐子さん、アドバイザーに、東京都赤羽消防団・副団長の小澤浩子さん、ゲストアドバイザーに映画作家の河瀬直美さんが討論を繰り広げた。
長野県下諏訪町消防団は、団員でラジオ番組を放送していることを活動の例に挙げ、参加者らは興味を示していた。両角さんは「防火防災の情報や訓練の情報、防火に対する小さな情報でも伝えることができればと番組作りを行っている」と話し、地域とのネットワーク作りを行い、子どものころから消防団員としてのかかわりをつくり、消防団が身近な存在になるような活動の必要性を語った。
そのほか、野球解説者の川藤幸三さんが「一振人生」と題した記念講演を行い、自身の阪神タイガース時代のエピソードと絡めて仲間との連携の大切さを訴え、「しんどくなったら、周りを見てください。自分一人ではない、自分の周りには人がおってくれる、見ててくれる。間違ってないという信念を持って、自信を持って胸を張って、多くの人を巻き込んで、この会を大きくしていってもらいたい」とエールを送った。