奈良市大森西町に3月下旬、京セラ(京都市伏見区)が開発した太陽光発電システムを採用した一戸建ての賃貸住宅が完成した。
3LDKの12棟の住宅には、それぞれ2.5キロワット~2.9キロワットの太陽光発電システムを登載。各戸の屋根で発電した電力は入居者が使用することができる。賃貸物件に同システムが付けられるのは珍しい。
条件によっても異なるが、共働きなど昼間は電気を余り使わない状態で、晴天の日であれば「売電」も可能だといい、売電額は月額で約1万2,000円を見込む。
同社の平賀さんは「賃貸住宅の事例も増えてきているので、今後もこのような環境に配慮した取り組みが広がれば」と期待を寄せる。
他の賃貸住宅との差別化を図る同物件は、太陽光パネルだけでなく省エネの水に関する設備や、電気自動車の充電に対応したコンセントも設置するなどして、国土交通省の「長期優良住宅」の認定も受けている。
家主の大西弘淳さんは「人口の減少傾向にある奈良に歯止めをかけられるよう、働き盛りの世代や、子育て世代の方々に入居いただければ」と話す。家賃は9万円前後。