来年1月1日から「はじまりの奈良、めぐる感動」をテーマに開催される「平城遷都1300年祭」の開催まであと1カ月。4月からメーン会場としてさまざまな催しや展示が行われる平城宮跡では、完成まであと少しの第一次大極正殿もその姿を現し、周辺の整備工事も進んでいる。
2005年5月に設立された平城遷都1300年記念事業協会が中心となり準備を進める同祭。来年4月24日~11月7日の平城宮跡会場で約250万人、年間を通して約1,200万人~1,300万人の来場を見込む。誕生当時は物議を醸した同祭のマスコットキャラクター「せんとくん」も今では、オフィシャルで約30品目、ライセンス商品で約100品目もの商品に起用される人気ぶりで、すっかり奈良の顔として定着した。
同祭のオープニングイベントは12月31日23時から、県内4カ所で行われる。奈良公園では、「平城人(ならびと)」のバサラ踊りや「秋篠」による和太鼓の披露に加えてSaracaさんやTommy Choさんによるコンサート、同祭のテーマソング「ムジカ」の大合唱も予定するほか、大和野菜を使った「大和鍋」も振る舞う。
そのほか、寅の寺として知られる信貴山朝護孫子寺(生駒郡平群町)では、12年に1度の「毘沙門天王」の奥秘仏ご開帳や地元のゆるキャラ大集合など、室生寺(宇陀市)では秘仏の「五智如来」の公開や仁王門と五重塔をライトアップ、金峯山寺(吉野郡吉野町)では金峯山寺蔵王堂のライトアップや「燈花会」などを予定する。
4月24日~11月7日は平城宮跡を会場として、参加・体験できる展示や催事を展開する。「第一次大極正殿」の完成記念式典や、東アジアとの交流を通じて平城京の歴史や文化を紹介する「平城京歴史館」には遣唐使船を復元して展示。当時の役人の仕事であった木簡文書の作成体験や擬似発掘体験などができる「平城京なりきり体験館」も設ける。
朱雀門では、平城宮皇城門の警護を担っていた衛士による警護の様子を再現するほか、平城宮跡各所で古代行事を再現するなど歴史を体感できる内容が中心。10月には平城遷都1300年を記念した祝典も行われる。