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奈良・学園前に脱サラ開業の本格広島焼き店「雪風」 オープンから3カ月

真剣な表情で広島焼きを焼く店主の富岡秀文さん

真剣な表情で広島焼きを焼く店主の富岡秀文さん

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 近鉄学園前駅北口の大通りから一本東に入った通りにある広島焼き・鉄板焼き店「雪風」(奈良市学園北2、TEL0742-44-7878)がオープンから3カ月がたった。

熱々を食べてもらおうと特注の鉄板で提供する「肉玉そば」(780円)

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 店主は、将来は自分で何かをしたいとの夢をかなえて20年弱勤めた建設会社を辞めて今年の4月27日に店舗を構えた富岡秀文さん(47)。小学校~高校まで過ごした広島で食べていたお好み焼きを奈良でも味わってもらいたいと「広島焼」店を開いた。

 清潔感を重視したという店内には、横3メートル縦80センチ、厚さ19ミリの特大鉄板。関西風お好み焼きとは違い、野菜を蒸して作る感覚に近い広島のお好み焼きには、熱が必要なためこれぐらいの厚みが必要といい、焼き上がるまでは約20分かかるという。

 奈良でお好み焼きと聞くといわゆる関西風のお好み焼きを思い浮かべるが、広島では、広島風お好み焼きを「お好み焼き」と呼ぶという。同店では誤解を招かないように「広島焼」と表記している。

 普段はとても気さくな人柄の富岡さんだが、ひと度調理に入るとその表情は一変。真剣な表情で鉄板の上に載る具材の状態を見極めててきぱきとした動作で焼き上げていく。

 オープンから3カ月がたち、「てんやわんやの3カ月」だったと振り返る。「広島焼きになじみのないスタッフもてんやわんやだったようで…」と富岡さん。広島焼きが実際にどんなものかもスタッフは分からず、メニューの説明もろくできない状態で迎えたプレオープンは、急きょ半分までメニューを減らして対応したという。

 今ではスタッフも慣れ柔軟に接客をこなすようになり、最高で1日に78枚を焼いた日もあったが、今のところ売り上げ目標の3割ほどだという。それもそのはず、これまで宣伝はまったくしていない状態で、最近になってメニューを記した看板を外に置くようになった程度。

 化学調味料を使わず素材にこだわる同店の広島焼きは「キャベツが甘くておいしい」などの声が聞かれ、来店した広島出身者の舌もうならせるほど。味の評判は上々のようで「広島に行かなくても本場の味を食べられる。地元の人たちに、満足してもらえるようなお店作りを」と意気込む。

 メニューは、「肉玉そば」(780円)、肉玉うどん(780円)、野菜肉玉(680円)など。おすすめはスルメイカを使ったイカ天(200円)のトッピングだという。テークアウトにも対応する。

 今後は酒を飲む客に向けて鉄板焼きメニューも拡充するという。富岡さんは「ずっと食べてきた広島の味を関西の人にも知ってもらいたい」と話す。

 営業時間は11時30分~14時、18時~22時。火曜定休。

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