文化財防火週間に合わせて1月26日、奈良国立博物館で奈良市消防局中央消防署、北消防署、奈良市消防団三笠分団による合同訓練が開かれた。
同館職員や消防隊員ら約90人、はしご車など6車両が参加。西新館1回給湯室から出火し、建物全体に延焼している想定の下、初期消火や来館者の避難誘導、放水や負傷者の救護など、参加者は本番さながらに真剣な表情で訓練に臨んだ。
重要物品の搬出の訓練では、多くの文化財を守る奈良市消防局ならではの訓練用仏像「まもろう如来像」(通称=まもろうくん)も使用。
訓練を終えて中央消防署の清水署長は「勇気を与えられる訓練だった。文化財を守るためには火事を起こさないことが大事」と講評した。
併せて、東大寺総合文化センター「金鐘ホール」では、文化財を火災などあらゆる災害から守るために、市民に文化財に対する認識を深めてもらい、文化財愛護思想や防火意識を高めることを目的に、「第13回文化財防火ゼミナール」も開かれた。
東大寺庶務執事・上司永照さん、奈良大学名誉教授で大阪府文化財センター理事長・水野正好さんが講演を行い、200人以上の参加者が熱心に聞き入っていた。