天理の手作り工房「木の子村」は1月25日、自然に囲まれた里山での農業体験プログラム「農業せんと」の初回を開催した。当日は17人が参加し、シイタケの植菌や山での野良仕事などに汗を流し、大和高原の自然に親しんだ。
シイタケの植菌は、周囲に小さな穴があけられたクヌギなどの原木に菌を植え込んでいく作業。しっかり菌を打ち込まないとはみ出した菌から原木が腐ってしまうため、小さな子どもも慎重に金づちを振るった。
雪がちらつく中の里山散策では、参加者が協力して木の枝を1カ所に集めたり、同工房のシンボルの山小屋の見学なども体験。木々の種類や手入れの手法について質問が飛び交うなどの交流も育まれたほか、昼食では取れたてのシイタケやサトイモ、手作りコンニャクなど、具材がたっぷり入った鍋に舌づつみを打ち、身も心も温めた。
この日は、大学で植物について専攻する学生や、日本の里山農業を体験したいとイタリアから来日しているダニエラ=ヴィヴァレッリさん(30)、エリザ=ミケリーニさん(30)も参加。2人は同工房スタッフの家に住み込みで2週間の農作業体験中。ダニエラさんは「土地とまちとが農業で結びついているのがいい。今日はコミュニケーションが楽しかった」と振り返った。
同プログラムは毎月1回の開催を予定しており、次回以降の参加者もホームページで募集している。