シマンテックコーポレーション(東京都港区)は2月23日、昨年10月に実施したアンケート「インターネット利用時の防犯意識と実態」の調査結果を公表し、「インターネット犯罪から身を守るために必要なのは『堅実で情報に敏感な奈良県民』の県民性」と発表した。
47都道府県から各100人、男女50人ずつ計4,700人を対象に、インターネット犯罪の被害に遭わないための日常生活における防犯意識やインターネット利用の実態・意識などを、「県民性」と関連付けて実施した同調査。調査結果をもとに、地域性を生かしたマーケティング戦略を研究する矢野新一さんが「県民性」との関連性を分析し、「防犯意識が高くインターネット犯罪の被害に最も遭いにくいのは、堅実で情報に敏感な県民性を持つ奈良県民」と結論付けた。
調査では、奈良県のセキュリティーソフトの使用率は87%で、インターネットの利用暦も「7年以上」が74%で全国平均の66%を上回り全国で2位。「初対面の人の話を信じるか」との問いにも合計54人が「全然信じない」「あまり信じない」と回答。そのほか、詐欺や他人にだまされた人の話を聞いたときは「自分も注意しなければと思う」と回答した人が86%で5位となったことから、「安易に人や物事を信じなかったり、自分事として注意したりするため、だまされにくく、総合的にインターネット犯罪の被害に遭いにくい」としている。
「奈良県民は、昔から県内に住んでいる『旧奈良県民』と、親が移り住んだ『新奈良県民』に大きく二分できる」という矢野さん。「旧奈良県民は農業中心の地域性もあり、奈良県民の慎重で消極的な性格で、万事において熟慮型と言える。そのため、無難さや安心感を求める傾向が強い」「新奈良県民は大阪から移住してきた人が多く、大阪商人の気質の影響を受けているので、旧奈良県民よりは金銭感覚に長けており、大阪人と同様にだまされにくい傾向がある」と分ける。
さらに、「ベッドタウン地域の人は流行に敏感なため、インターネット犯罪などに関する新しい情報も入手している可能性が高いことから、インターネット犯罪による被害を回避できる可能性が高いと言える」とも。
こうしたことから「奈良県民の堅実性と情報収集に長けた県民性は、インターネット犯罪から身を守るために重要な要素」と分析している。