NPO法人「奈良の食文化研究会」が1月24日、NHKのテレビ番組「激突、メシあがれ」の優勝祝賀会を「料亭 菊水楼」(奈良市高畑町)で行った。
(右から)「料亭 菊水楼」総料理長の駒阪幹弘さんと「奈良の食文化研究会」理事長の木村隆志さん
奈良の郷土料理を発掘・研究している同団体。理事長の木村隆志さんは昨年末NHKで放送された、鍋料理のアマチュア・ナンバーワンを決定するテレビ番組「激突、メシあがれ」に奈良代表として出演した。
番組内では、北海道から九州までバラエティー豊かな鍋が登場する中、奈良は「古代ロマン香る、奈良の新しい鍋」をテーマに臨んだ。準決勝では「大和橘(やまとたちばな)香る、あすか鍋」で勝ち上がり、「100年続く、新ご当地の鍋」をテーマにした決勝戦では、木村さんが「春日●飩(はくたく)うどん・意伝坊(いでんぼう)みそ仕立て鍋」をスタジオで作り優勝した。(●=食へんに専)審査員からは「シルクロード古代の味、しかし味は現代でも最先端」との講評を得た。
優勝祝賀会には、同団体メンバーをはじめ関係者約50人が集まった。会場では2種類の鍋が振舞われた。木村さんは、「大和橘香る、あすか鍋」は豆乳に古代のチーズ「蘇(そ)」を溶かしミルク感を出したこと、大和肉鶏のつくねに大和橘の若葉を刻み香りを最大限に生かす工夫をしたこと、番組収録日が迫る中、鍋メニュー開発に取り組んだことを振り返り、同団体の試食会では厳しい意見や励ましの声をもらったおかげで形にできたことや、TV局での思い出などを参加者たちに明かした。
郷土芸能実践研究家の太鼓打源五郎さんは「地道に20年以上、埋もれている原石を発掘してきた奈良の食文化研究会の集大成。地元の食材で奈良の文化をどう表現するかがポイント。支えてきたみんなで食べられてうれしい」と目を細める。地域産品プロデューサーの原野知有紀さんは「これまでそれぞれの食材が持つ歴史やこだわり、関わる人々の思いを学んできた。それらをかみしめ、しかも老舗の菊水楼さんで味わえて感無量」と話す。「なら橘プロジェクト」代表の城健治さんは「大和橘は記紀にも登場するかんきつの原種で日本の固有種。香りの余韻が強みで、奈良から世界に発信できる物。鍋料理で新しい名物として育つよう願っている」と期待を寄せる。
菊水楼総料理長の駒阪幹弘さんは「『春日若宮おん祭り』ゆかりの意伝坊みそを提供した。研究会と協力してレシピを固め、当料亭でのメニュー化を考えている」と話す。
農学博士で同会副理事長の的場輝佳さんは「これからも、歴史から消えた料理の発掘や、地域によって違う味を研究し広めていきたい。何がおいしいか人に聞くのはナンセンス。まず自ら食して自分の世界でおいしさを見つけることを大切にしてほしい」と話す。
2種類の鍋レシピは現在、同団体ホームページで公開している。