大学生の岡村未来さん(21)がコロナ禍の中、地元に貢献したいとマイナンバーカード郵送申請方法を説明する約1分の動画を制作した。5月21日から奈良市公式動画・市内のデジタルサイネージなどで配信している。
岡村さんは大学とは別に映像制作に関わり、奈良にまつわる動画やブライダルエンドロール制作などでスキルを磨いている。新型コロナに翻弄(ほんろう)されるニュースがあふれる中、「奈良のために何か自分のスキルでできることはないか」と考え奈良市役所に申し出た。
市役所では新規マイナンバーカード申請のために窓口が混雑し待ち時間が数時間に及ぶなど感染拡大しかねない状態だった。岡村さんは「役所に行かなくてもマイナンバーカードが作れる郵送申請があるが、あまり周知されていないと知り動画を提案した」と話す。
動画の構成・デザイン・編集・ナレーションも岡村さんが行い、申請書や封筒をダウンロードできることや郵送料がかからないことなど、郵送申請の簡単さを3ステップで説明し、文字や図形を動かすモーショングラフィックスで制作した。岡村さんは「高齢者など、感染リスクの高い方も役所に来られるときに安心できる環境になることを願っている。マイナンバーカードが簡単に作れるなら郵送で申請してみよう、と思う人が少しでも増えれば」とほほ笑む。
市のシティプロモーション係長の高松明弘さんは「かわいらしく分かりやすい動画で郵送申請の手軽さが伝わる。コロナで多くの方が困っている状況を見て、自分で何かできないかと若い人が行動されたことに元気をもらった」と話す。「9月には『マイナポイント事業』が始まり上限5000円分が付与されるサービスの用意もある。これからマイナンバーカードを申請する人は、この動画を見て郵送申請をお願いしたい」とも。