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創業70年の厚焼き卵専門店がカフェに 職人の「だし巻き玉子」を提供

卵は4個、ダシをたっぷり使うのでふわふわの食感

卵は4個、ダシをたっぷり使うのでふわふわの食感

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 創業70年の厚焼き卵専門店の味を提供する「カフェ 染谷(そめたに)商店」(奈良市東城戸町、TEL 0742-22-6502)がオープンして半年がたった。

カフェを切り盛りする長女の起世子さん

 染谷商店は元々、すし店の玉(ぎょく)や伊達巻きを専門に製造する工場。店主で厚焼き卵職人の染谷全広(まさひろ)さん(81)は市場に卸したり、すし店からの注文に応えてきたりした。娘も加わり家族で続けて来たが、平均年齢70歳を超え、体力の衰えと後継者も見込めないことから工場の閉鎖を決断。全広さんは「大きな機械類を整理するためにも体が動く間に決めたかった」と振り返る。

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 「これからは、無理せずにできることを少しでも長く続けていければ」と、厚焼き卵職人が作る「だし巻き玉子」をカフェで提供することを計画。3階建ての住居兼工場だった1階の工場を整理してリフォームを行い、昨年8月、「カフェ 染谷商店」を開いた。

 カフェを切り盛りするのは、全広さんの味を受け継ぎ、かつて別の場所でカフェ経営経験もある長女の起世子(きよこ)さん(55)。全広さんは「だし巻き玉子」の注文が重なった時の助っ人として裏方に徹する。妻のミツ江さん(76)は定食に添える数種類の総菜を手作りする。次女(53)や孫娘(27)は他の仕事を持つが、休みの日は同店で接客を手伝い、同居する3世代が協力している。

 食材の卵は田原本町、米は田原の里の「コシヒカリ」で、野菜も奈良県産。ダシは天然にこだわり、国産かつお節と昆布を使う。

 起世子さんは「良い素材を使って丁寧に作っている。『もし死ぬ前に何を食べたい?』という時に『あー、あのだし巻き玉子が食べたい』と思い出してもらえるような存在になれればうれしい。焼きたてを食べていただきたいので、注文を受けてから一人前ずつ焼く。オーダーが重なった時は申し訳ないがお待ちいただくことに…」と話す。

 メニューは、だし巻き玉子定食(800円、おにぎり・総菜・みそ汁付き)、厚焼き玉子サンド(600円)、昔ながらのオムライス(700円)、だし巻き玉子持ち帰り(550円)、ケーキ・ドリンクの喫茶メニュー。

 営業時間は10時30分~18時(無くなり次第終了)。水曜定休(月1回木曜休)。