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奈良・若草山で白昼堂々、土産店から紙の束盗む 犯人は「鹿」

包装紙の束を盗み逃げる鹿と追う広岡さん(9月6日12時50分ごろ撮影)

包装紙の束を盗み逃げる鹿と追う広岡さん(9月6日12時50分ごろ撮影)

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 修学旅行生など観光客でにぎわう若草山の麓で9月6日、「コラー待てー」との声が響いた。

その後も店内を物色する鹿

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 事件が起きたのは12時50分ごろ、土産店内から走って逃げてきたのは紙の束をくわえた鹿。後を追い男性も続くが、鹿の安全を考えてか少しの距離で追うのを止めた。

 男性は、明治4年創業の土産店「東栄堂」の4代目店主・広岡友雄さん(84)。盗まれたのは包装紙で、大半は逃走中に落としたため取り戻すことができた。広岡さんによると盗まれた包装紙は1枚2.5円。現場に居合わせた奈良経済新聞の記者によると最終的に鹿が食べた包装紙は2枚とのこと。

「1枚2枚なら何にも言わないが、今回は束だったので」と広岡さん。このような鹿による行為は毎日のことという。しかし、同店で一番の売れ筋は「鹿せんべい」(150円)というから、鹿とも持ちつ持たれつの関係だ。

 その後も店内を物色するかのように同店の前には鹿の姿。しかし、これも広岡さんが普段から鹿と慣れ親しんでいるからのこと。心優しい広岡さんの元を鹿が訪れているだけだ。「こんなことはしょっちゅうだが、盗られても包装紙程度。あまり悪さはしませんよ」と笑顔を見せる。

 鹿せんべいはケースに入れているから盗まれることはないという。

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