小西さくら通り商店街(奈良市小西町)の商店主らで組織する小西通商店街振興組合は2月23日から、同商店街の各店舗で自慢の品やサービスを提供する「一店逸品サービス」を始めた。
今回は、90店の応募の中から、中心市街地商業活性化アドバイザーの出口己幸さんを交えた審査によって選ばれた飲食店や服飾店、食品店など55店舗が参加する。
同サービスは、個々の店が自慢の品やサービスをPRし、同商店街と各店の活性化を図るとともに魅力的なものにしていくことを目的にしたもの。参加店を紹介したパンフレットを3万部作製し、駅や観光案内所、旅館などで配布している。
「靴下屋」奈良小西通り店が挙げた「逸品」は、鹿をあしらったオリジナル靴下の「鹿ちゃん靴下」(630円)と、同じく鹿の姿がポイントの「プリントソックス」(1,575円)。カラフル記事にプリントされた鹿の写真が愛らしさを引き立てる。同店の川邊純子店長は「すべて店のスタッフの女の子がアイデアを持ち寄って考えている。スタッフ自ら鹿の写真撮影にいくなどハンドメードで作っている」と自信をのぞかせる。
老舗かまぼこ専門店「魚万商店」小西店では、練り物離れを受けて観光客に食べ歩いてもらえるようにと考案したスティック状の「バターポテト」(200円)を打ち出す。短冊状に切られたジャガイモをかまぼこで包み、さらにインド料理で使われているシート状の生地の「サモサシート」を巻くことで、かまぼこに混ぜられたバターの風味とジャガイモのうま味を逃がさない工夫を施し、パリッとした歯ごたえを生み出す。同店の魚谷和良専務は「自慢の逸品をもっと広く多くの人に知ってもらいながら、活性化に貢献できれば」と話す。
同商店街振興組合の井岡正浩理事長は「まずは地元の人にこんな逸品があると知ってほしい。他府県にも広げていき、最終的には観光客につなげたい」と意気込む。
近鉄奈良駅からすぐの同商店街は、組合の会員数が114店と奈良県内最多。アーケードがなく見通しが良いことから、2階・3階の店舗もにぎわう。天然石の街路舗装が施された道南北200メートル、東西に100メートルに商店が連なっている。