入江泰吉記念奈良市写真美術館(奈良市高畑町、TEL 0742-22-9811で現在、昭和の奈良と今の奈良を比べた「奈良市今昔写真展」と、記紀・万葉プロジェクトに合わせた企画展「神宿る大和」が開かれている。
「奈良市今昔写真展」は、同館のロビーと階段を利用して、20点の組み写真40作品を展示する。昨年7月に発売した昭和の奈良の様子を捉えた写真を集めた写真集「入江泰吉の原風景 昭和の奈良大和路 昭和20年~30年代」から、奈良市内の風景写真20点を抜粋し、同館の学芸員が今年7月に現地に出向き同じような角度で写真を撮影した。
夏休みに家族皆で楽しんでもらえるような展示をと企画した同展。当初8月末までの予定だったが、予想を超える好評を得たため9月末まで会期延長を決めた。
作品の撮影場所となったのは、近鉄奈良駅前や大仏殿交差点、猿沢池付近、もちいどのセンター街などで、油阪の写真では、当時敷かれていた線路と今の整備された道路の様子など昭和の奈良と今の奈良を見比べることもできる。
「神宿る大和」展では、古事記の物語をパネル展示し、テーマに沿った作品61点(うち初公開3点)を展示する。ここ数回の展示は、代表作を展示するものが多かったが、今回は「比較的マニアック」な作品を展示しているといい、同館の学芸員の木村さんは「代表作のような華やかさはないが、しみじみとかみしめて見てもらえれば」と話す。
開館時間は9時30分~17時(入館は16時30分まで)。入場料は、一般=500円、高校生・大学生=200円、中学生以下=100円(小・中・高校生は土曜無料)。8月末までは12時以降の入館無料。月曜休館。9月30日まで。毎月第2・4土曜の14時からは学芸員が作品解説を行う。