近鉄奈良駅から南に向かって3つ目の商店街「下御門商店街」(奈良市下御門町)で7月28日、約80メートルの流しそうめんが行われ、同商店街が人で埋め尽くされるほどのにぎわいを見せた。
同商店街は、奈良市で2番目にアーケードができた商店街。1998年にアーケードをリニューアルして、これまでは、その借入金の返済を優先してきたが、返済のめどがついたため10年以上ぶりとなるイベントを開催することに。
ほぼ全てが坂になっている約90メートルの商店街。「坂のある商店街の立地を生かしたイベントを」と、長年温めていた企画の流しそうめんを実施することになった。
組合員は、今年4月から打ち合わせを開始。全員集まるのはこれまで無い状態だったが、商店街が一体となりイベントの盛り上げに取り組んだ。現在の会員店舗は33。最近は、新規店舗も増え「商店街活性化を」との声も後押しした。
同商店街の全体に竹台が設置された物珍しい光景に開始前から多くの人が集まった。開始時間の14時には、まんとくんが登場。赤く色付けしたそうめんで、始球式ならぬ「始流し」を行った。
14時からと16時からの2回、合計約1時間30分で、1300食と予備で用意していた500食の計1800食を流した。
売り上げを全て紀伊半島大水害で被災した十津川村に義援金として送るため100円以上とした参加費。100円以上の義援金と引き換えに、コップに入った薬味とつゆを渡す。義援金は、当日集まった8万8,927円に同組合が足して10万円にして送る。
同組合の臼井基雄理事長は「個人店舗が多く、店を閉めてやらなければいけない。定年を迎えた世代にいかに手伝ってもらうかが鍵」と話した。組合員からは「ここまで人が集まっている商店街は見たことがない」との声も多く聞こえ、「みんなで力を合わせれば、これだけの人が集まってくれると認識できた」と同組合広報担当のやまもとあつしさん。