奈良大安寺で「笹酒祭り」-がん封じや無病息災を祈願

着物姿の笹娘らが参拝者にお酒を注ぐ、大安寺の「笹酒祭り」

着物姿の笹娘らが参拝者にお酒を注ぐ、大安寺の「笹酒祭り」

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 南都七大寺のひとつ、大安寺(奈良市大安寺)で1月23日、竹筒で温められた笹(ささ)酒を飲み、がん封じや無病息災を祈願する新春の風物詩「笹酒祭り」が営まれ、県内外から訪れた多くの参拝客でにぎわった。

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 「笹酒祭り」は、奈良時代最後の天皇、光仁天皇が、しばしば大安寺の竹林で笹酒を飲み、長寿と無病息災を保ったことに由来する。2007年度からは飲酒運転防止への配慮として、祈とうを受けた笹水も用意。ドライバーや酒が苦手な人、酔い覚ましに好評を得ている。

 青竹をくり抜いた竹筒は長さ約1メートルで、たき火で温められた笹酒には清涼な竹の香りが移る。大阪府藤井寺市から訪れた60歳代の女性は、あでやかな晴れ着姿の「笹娘」らから小さな竹の器に笹酒を注いでもらって口にした後、「お酒がぐっとお腹に来た感じ。一度来て見たいとずっと思っていた。娘さんたちもかわいい」と笑顔を見せた。何度も列に並び、笹酒をたしなむ赤ら顔のお父さんの姿も。

 ずらり並んだ「笹娘」は毎年、藤影きもの専門学校(西大寺新田町)の生徒が務める。同校2年生の福山詠美さん(20)は「ずっと同じ状態で、お酒の入った竹筒を持っているのは大変。こぼさないように徐々に傾けたりするのも難しい。伝統の文化なので、なかなか参加できないこうした行事に、入学したことで参加できることがうれしい」と話す。

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