奈良ホテル(奈良市高畑町、TEL 0742-26-3300)で1月11日、今年10月17日に創業100周年迎えるのを記念した「展示会」が始まった。
同ホテルは、1096(明治42)年10月17日に「関西の迎賓館」としてオープン。現在もその姿をほとんど変えていない。しかし、ホテルの資料などは戦後アメリカの進駐軍に接収され、多くの資料が散逸し、戦前の資料がほとんど残っていなかった。100周年記念行事を行うにあたり、同ホテルのOB・OG社員や宿泊客など、全国から情報や資料提供を受けて展示会の準備を進めてきた。
主な展示品は、創業当時の宿帳や、当時は珍しかった洋式トイレや風呂の不思議さなどを俳人の高浜虚子が書いた紀行文を掲載している国民新聞のパネル、1935(昭和10)年に作られた皇室専用の食器など約100点。
1922(大正11)年にアインシュタインが宿泊した時に弾いたピアノも64年ぶりに同ホテルに戻った。初日の11日には約400人が訪れ、来館者は興味深げに見入っていた。
ピアノは、終戦直後に同ホテルから旧大阪鉄道管理局に持ち出された後、交通科学博物館(大阪市港区)に保管されていた。日本近代文学館(東京都目黒区)に貯蔵されていたアインシュタインがピアノを弾く写真と照らし合わせたところ脚の形などが一致したことから実物と判明したもの。
ピアノの里帰りを記念して、フレンチコース料理「ザ・ピアノ」(12,000円)と、同コースが付いた宿泊プラン(1室2人=1人22,000円)も販売している。2月21日まで。そのほか、老舗「大倉陶園」製作の記念イヤリープレート(10,500円)の予約受け付けも開始した。
展示会の開催時間は9時30分~19時。入場無料。今月29日まで。