タリーズコーヒーが今年10月に行った「タリーズコーヒーバリスタコンテンスト2009」で、タリーズコーヒー奈良ビブレ店(奈良市小西町)の原純子さんが「アルバイトフェロー部門」で優勝した。
原さんは関西大学の4年生。商学部で学びならが、2007年2月から同店で働く。コーヒーは苦手だったという原さん。入店のきっかけは、自宅が近所だったことと、「あえて苦手だった世界に足を踏み入れてみようと思った」と話す。
入店半年ほどで、同店マネジャーからの勧めで同コンテストに初出場し地区予選で3位に。翌2008年は地区予選で優勝を果たし、今回は3度目の挑戦で、全国370店舗で働く約6,000人のアルバイト店員の頂点に立った。
コンテストでは、地区予選を勝ち抜いた12人が知識や技術を競った。「前年の悔しさをバネに、みんなの代表として恥じないようとコンテストに挑んだ」といい、同店への思いや、コミニュケーションの深い接客などが評価された。「日本一の店と自信を持っているので、普段からクオリティーを上げるよう心がけている」と原さん。「いつも通りにすれば優勝できると自信があった」といい、コンテストも「緊張もなく楽しめた」と振り返る。
「人」が好きという原さんは「お金を稼ぎに行くという感覚がなく、仲間にも恵まれ、仕事が楽しい」と笑顔を見せる。コーヒー1杯に320円を払う価値があるようにお客さまと接するには、どうすれば喜んでもらえるかを常に考えているという。
すすめる商品や言葉の掛け方一つにも気を配り、そんな「おもてなし心」があってか定期券を買って同店に通う人や、原さんを見つけて同店に駆け込む人など、「原さんファン」も少なくない。サクソホン演奏や読書、写真撮影など多趣味で、愛用の一眼レフカメラは同店利用客との会話をきっかけに譲り受けたものだ。
原さんについて、同店の西岡マネジャーは「ホスピタリティーが高く、お客さまのことを第一に常に周りに対する気配りを欠かさず仕事に集中している。見習わないといけない部分もある」と評価。「業務に関しても(原さんと)言い争いになったことがある」というほど仕事に対する思いは熱い。
今は、学業が忙しく店に立つのは週2日ほど。来年2月には退店する予定で、百貨店への就職も決まっている。「接客スキルを高めたい」との思いから他業種への就職を決めたと話す原さんは「おもてなし精神を追求していき、誰にも負けないおもてなしができる人になりたい」と今後の抱負を語る。
同コンテストの副賞で贈られたシアトル旅行では、「米国タリーズ本店に行くことが楽しみ」と話すなど仕事に対する向上心の高さをうかがい知ることができる。「仕事の時は背筋がピンとなるが、プライベートは子どもっぽい」と笑顔をのぞかせる一面も。
同店では今日も原さんをはじめとするスタッフの明るい声が響き渡る。