奈良市防災センターで8月11日、奈良市内のパチンコ店を対象とした「災害を最小限にとどめるために『防火講演会』」が開かれた。奈良市内のパチンコ店26店舗中25店舗の防災管理者が参加し、防災に対する意識を高めた。
先月大阪市内で起こったパチンコ店火災を受けて奈良県遊技業協同組合が防災に対する意識を高めようと奈良市消防局に要望し実施されたもの。講演では、同局予防課の中村輝安課長が、同火災の状況についてスクリーンを使って説明し、初期消火の大切さを訴えた。さらに、アルバイト店員にも応急消火義務があることから消火器の位置の確認や使い方の指導のほか、消火担当者、119通報担当者、避難誘導担当者を決め防火管理体制を強化する必要性を指摘した。
そのほか、AEDの講習や同センターの施設を使用して消火器の取り扱い訓練、煙が充満した真っ暗な部屋の中で行う煙避難体験なども行われ、参加者らは真剣な表情で取り組んだ。
講演を終えて、中村課長は「(大阪の火災を)他山の石として防火の安全性を高めてもらえれば」と日ごろからの心構えが大切と述べ、同組合の下西孝夫事務局長は「有意義な指導を受けることができた。学んだことを店に持ち帰り店員に指導していただきたい」と話した。