奈良・大安寺で縁の空海しのぶ正御影供-雨天で火渡りは中止に

無病息災などを願って営まれた柴灯大護摩祈とう、大安寺境内で

無病息災などを願って営まれた柴灯大護摩祈とう、大安寺境内で

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 南都七大寺の一つ大安寺(奈良市大安寺)で4月21日、「みえくさん」と呼び親しまれる伝統行事「弘法大師正御影供(しょうみえく)」が営まれた。弘法大師空海の恩徳をしのぶ法要で、旧暦3月21日の命日にちなむ同日に全国の縁の寺院、真言宗寺院で行われている。

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 弘法大師が若き日に師匠の下で学び、後年に別当(住職)ともなった同寺は特に縁の深い寺院。特に荘厳に行われることで知られ、上野道善東大寺別当、松長有慶高野山管長も参詣した。

 本堂での奉賛法要で弘法大師の御影の描かれた掛け軸を掲げ供養した後、境内で無病息災と祈願成就の祈りを込めた柴灯大護摩祈とうが行われた。場を清めるために四方に矢を放つ弓矢の儀では、取れば厄除けになると伝えられる矢を必死で追う人がいる一方、弓を引き絞ったと思いきや、前方に位置取った参拝客のために目の前に矢を落とすといったコミカルな仕草も見られた。

 当日は雷雨の予報のため、護摩壇は「雨でも火が消えずに大丈夫な特別仕様」で仕立てられ、空高く真っ白い煙が渦を巻いて立ち上る中、オレンジ色の炎が激しく燃え上がっていた。恒例の火渡り行事は天候を考慮して中止に。参拝客は火勢の弱まった護摩壇の前に列を成し、熱気を肌で感じながら1年の健康などを祈っていた。

 京都府相楽郡から訪れた70代の男性は「毎年お参りさせていただいている。健康で長生きできるのは、お大師さんに助けてもらっているから」と話していた。

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