入江泰吉記念奈良市写真美術館(奈良市高畑町、TEL 0742-22-9811)で現在、開館20周年を記念した「入江泰吉・杉本健吉~大和路に魅せられた二人~」が開かれている。
同館は、約半世紀にわたり奈良大和路の風景や仏像、伝統行事を撮り続けた写真家の入江泰吉が8万点にも及ぶ全作品を奈良に寄贈したことをきっかけに、建築家・黒川記章が設計を手掛け、1992年4月に西日本で最初の写真美術館として開館した。
今回は、開館20周年を記念して、入江泰吉の親友でもあり良きライバルでもあった画家・杉本健吉の作品と共に2人の代表的な作品計98点を展示。
「絵画と写真という表現手段に違いはあっても、テーマを同じくする良きライバルであり、私にとっては大きな刺激を与えてくれる存在だった」(入江泰吉)など、2人の関係を語る言葉も併せて展示し、長きにわたり大和路をテーマに創作活動を行ってきた2人を紹介する。中には構図が良く似た作品もあるなど、2 人の奈良への熱い情熱を感じることができる。同館学芸員の説田さんは「内なるものを表現した2人の感性を見ていただければ」と話す。
開館時間は9時30分~17時(入館は16時30分まで)。入場料は、一般=500円、高校生・大学生=200円、中学生以下=100円(小・中・高生は毎週土曜無料)。月曜休館(祝日の場合は開館、翌日休館、奈良国立博物館で開かれる正倉院展の期間中は無休)。12月25日まで。毎月第2・4土曜の14時からは学芸員が作品解説を行う。