入江泰吉記念奈良市写真美術館(奈良市高畑町、TEL 0742-22-9811)で現在、「平城遷都1300年記念 入江泰吉傑作選-大和路-前期」が開かれている。1992年の開館からこれまでに展示した約2,800点の作品からえりすぐった102点(うちカラー作品61点)を展示する。
戦後に出版され10版以上の版を重ね、当時としては異例の大ヒットとなり入江泰吉の名前を全国に知らしめるきっかけにもなった写真集「大和路」(創元社、1958年)に掲載された作品をはじめ、1945(昭和20)年から1960年(昭和35)年ごろまでのモノクロ風景写真、1960(昭和35年)~1992年のカラー風景写真などを展示。併せて、「より深く作品を見てもらおうと」入江泰吉が著書などに残した、写真に対する考え方などの言葉も紹介する。
「塔のある風景こそ大和路を象徴する風景」との思いが込められ、代表作の一つでもある「薬師寺東塔遠望」(1950年代後半)などの初期の作品には、後期にはない人物が写る。
同館学芸委員の木村さんは「入江さんの残したかった奈良大和路のイメージを感じ取ってもらえれば。代表作がそろっているので見応えがあるのでは」と話す。
開館時間は9時30分~17時(入館は16時30分まで、8月5日・6日・9日~15日は18時まで、8月7日・8日は19時まで)。入場料は、一般=500円、高校生・大学生=200円、中学生以下=100円(小・中・高生は毎週土曜無料。7月21日~8月29日は小・中学生無料)。月曜休館(祝日の場合は開館、翌日休館)。8月29日まで。後期は9月4日からを予定する。