「親子着付け教室 帯結び発表会」が11月16日、大原和服専門学園(奈良市富雄元町1)で行われた。
和服店や着付け教室などでつくる「和装教育国民推進会議奈良」が着物文化継承を目的に開く同教室。本年度は7月から11月まで月1回開き、小学生から高校生まで約90人とその保護者約150人が受講し、長じゅばんと着物の着方、半幅帯の結び方などを学んだ。当日は子ども約30人が集大成として1人で半幅帯の帯結びを観客の前で披露した。
小学2年の保護者の上村恵子さんは「着付けはまだ無理かなと思っていたが数回通ううちにできるようになり楽しいと喜んでいた。着物や帯などは教室で用意してくれるので手ぶらで気軽に参加できるのも良かった。発表会が目標になり、やる気が上がっていた」と振り返る。
保護者の一柳晃愛さんは「一枚の布が立体的な美しい帯結びになり、なおかつ体に沿う知恵など、大人にとっても新鮮な学びだった。着物文化に触れられて良かった」と話す。
「洋服より着物が10倍好き」という小学4年の本山絢都さんは「リボンを作るときの羽の大きさがうまくできた。大人がしている結び方も習ってみたい」と意欲を見せる。観客からは「着付けは大人だけのものではなく、子どもたちが小さな手で一生懸命に帯結びをするのがとてもほほ笑ましい。着物業界の将来も明るく感じる」という声も聞かれた。
「この教室の講師は、着物の良さを次世代につないでいきたいという一心でボランティアで携わっていて、和やかな雰囲気と子どもたちの笑顔を何よりも楽しみに活動している」と同会事務局長の森本桂三さん。副会長の大原敏敬さんは「『着物バリアフリータウン奈良』を目指して、着物関係者が協力し着物を広める活動をこれからも続けていきたい」話す。