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司馬遼太郎作「街道をゆく」の挿絵など展示 奈良市美術館で企画展

「入江泰吉と須田剋太の奈良」展示の様子

「入江泰吉と須田剋太の奈良」展示の様子

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 イトーヨーカドー奈良店(奈良市二条大路南)5階の奈良市美術館(TEL 0742-30-1510)で現在、企画展「入江泰吉と須田剋太の奈良」が開かれている。

貼り絵で立体感があるように見える「竹内峠竹内村 司馬さんの故郷」(1971年作)

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 司馬遼太郎作「街道をゆく」の挿絵を担当していたことでも知られる画家・須田剋太と、その友人でもある写真家・入江泰吉の2人の作品の中から、戦後奈良の芸術文化の一端を紹介するもの。入江泰吉の初期の代表的な作品55点と、須田剋太の奈良にちなむ作品55点、うち「街道をゆく」の挿絵原画31点を展示する。

 須田剋太は「多くの人は、奈良を通りすがりの浅い眼で見る。奈良の本当のよさは、奈良のどこにも在りはしない。絶大な熟度と、何回も何回も、親切に、繰り返し繰り返し一生涯かけて愛しつくす愛情で、見えない人の眼には、本当の奈良の美しさは、よみがえって来ない」などという言葉を残しており、入江泰吉と同様に奈良を愛した2人の芸術家が求めた美のかたちを垣間見ることができる。「街道をゆく」の挿絵原画では、貼り絵をして絵に立体感を出すなど原画でしか分からない発見も。

 同館の学芸員・説田さんは「奈良にいろんな芸術家がいたその一人須田剋太のこと知ってもらい、須田剋太がどこに奈良に魅力を感じたのか、奈良をより深く追求した奈良の魅力を作品から見てもらいたい」と話す。

 同展示に併せて8月12日に入江泰吉旧居(奈良市水門町)で「入江泰吉と須田剋太、杉本健吉の奈良」も開く。3人の交流や奈良への思い、芸術についての説田さんによる講演で、講演終了後は東大寺境内を散策し作品の制作場所を巡る。

 開館時間は10時~17時30分。月曜定休。入場料は、一般=500円、16歳未満・高校生と奈良市在住の70歳以上、障がい者は無料。8月16日まで。

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