助かったニャー 奈良で子猫救出劇、15メートルの木から鳴き声

木に登り身動きが取れなくなった子猫(2015年6月28日17時40分ごろ撮影)

木に登り身動きが取れなくなった子猫(2015年6月28日17時40分ごろ撮影)

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 奈良県文化会館(奈良市登大路町)のつどいの広場で6月28日、木から下りられなくなった猫の救出劇があった。

木を見上げると葉の隙間に子猫の顔が

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 17時30分過ぎ、同所では1本の木を取り囲むようにできた人の輪の中で消防隊員が頭を悩ませていた。「ニャー、ニャー」と聞こえる声の方に目を向けると木の葉の隙間に猫の姿。

 奈良市消防局によると通報があったのは16時34分。通行人から「木の上で猫が鳴いている」というもので、7人の隊員が現場に駆け付けた。

 現場にいた人の話によると「枝にロープを掛けて揺さぶったが猫も下りてこず、落ちてもこず。どうしたものかと作戦を練っている」という。同館によると、この木はナンキンハゼ。約15メートルの高さがあるといい、猫の位置を目視で確認しても10メートル以上の高さだった。

 隊員は「この方法しかない」とブルーシートを広げ落ちてくる猫に備え、ロープを枝に掛けて揺さぶる。猫は「ニャー、ニャー」と大きな声で鳴き必死に爪を立ててしがみ付く。大きく枝がしなるも、猫は落ちることもなく、下りることもない。隊員は見守る人らに「力のある男性の方手伝っていただけませんか」と声を掛け、今度は一般人11人も加わりロープを引いて枝を揺さぶった。

 それでも猫は落ちてこず、引く人の手にも力が入った瞬間「バキバキ」と音を立てて、直径5センチ以上はある枝が根元から折れた。周囲からは「大丈夫?。猫大丈夫?」との声が上がり猫を取り囲むように人だかりができた。ショック状態なのか動いていないようにも見えたが、到着した保健所の職員に猫を引き渡した。

 保健所によると保護した猫は生後1カ月~2カ月。体長は約20センチで去勢している可能性もあるが雌。保護した当初は動き回り興奮した様子も、一夜明けた現在は、落ち着きを取り戻しているという。同29日に獣医師による確認も行われ、鼻と眉間にすすり傷があるものの元気な様子を見せているという。保健所では今後、飼い主を探すためホームページで情報を公開し、飼い主が居なかった場合、猫の体調などをみて譲渡するか検討していくという。

 救出劇から1時間あまりたった後でも同館には「あの猫大丈夫でしたか?」と訪ねる人もいたという。救助を見守った市内に住む30代の主婦は「大丈夫でよかった」と笑顔を見せていた。

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