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平城宮跡で2万5千羽のツバメが空中ショー まるでおとぎ話の世界

サーチライトに照らされ流星のように輝くツバメ(写真奥は平城宮跡・第一次大極殿 9月3日18時30分ごろ撮影)

サーチライトに照らされ流星のように輝くツバメ(写真奥は平城宮跡・第一次大極殿 9月3日18時30分ごろ撮影)

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 平城宮跡で9月3日、約2万5000羽の「ツバメのねぐら入り」が観測された。

見る人を楽しませるかのように飛び回るツバメ

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 スズムシの鳴き声が響く平城宮跡で18時20分過ぎ、数羽のツバメが今日のねぐらを確認するかのように数分にわたり旋回し始めた。その後南東から1000羽を超えると見られるツバメの大群が押し寄せ、時間がたつごとにその数を増し、10分ほどでツバメの影が空一面を覆った。

 平城宮跡・第一次大極殿の前庭を飛ぶと、同所をライトアップするサーチライトにツバメが照らされて流星のように輝く。ツバメはまるで見る人を楽しませるかのように上空を何度か旋回した後、空から降るようにねぐらに入る。

 手の届きそうな距離を大群が飛ぶその様子はまるでおとぎ話や漫画の世界に迷いこんだかのように錯覚するほど。ツバメのねぐら入りは約20分で終了し、その後はスズムシなどの鳴き声をかき消すツバメの鳴き声が響いていた。

 日本野鳥の会奈良支部の調査によると、この日の平城宮跡のツバメの数は約2万5000羽。8月上旬の最盛期には約5万5000羽の「ねぐら入り」を観測したという。「関東方面から飛んできたツバメが平城宮跡で休み、次の日には西に飛んで行くのでは」と同支部の中元さん。以前は県内各所にねぐらがあったが、現在は環境の変化により消滅したため、「ここ数年平城宮跡に集まってきている」とも。

 同会の堀本理華さんは「ツバメが驚くのでカメラのフラッシュなどの強い光や大きな音を立てず、ねぐらのある茂みに入ることもやめてほしい。静かに見守ってほしい」と呼び掛ける。

 同会では、全国のねぐらを紹介する「ツバメのねぐらマップ」を製作し無料配布している。申し込みは同会ホームページまで。

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