入江泰吉記念奈良市美術館（奈良市高畑町、TEL 0742-22-9811）で11月22日、開館から17年目にして累積来館者数が100万人を突破した。同日、これを記念してセレモニーが行われた。

　藤原昭奈良市長も駆け付け、清水統裕館長、同館スタッフや多くの報道陣が見守る中、14時30分に100万人目となる来館者が訪れた。100万人目の来館者は、名古屋市から訪れた芳賀生憲さん（33）と真由美さん（29）夫妻。

　100万人目の来館者が訪れたことを告げる場内アナウンスの後、記念セレモニーが行われ、99万9,999人目の来館者と100万1人目の来館者、加賀さん夫妻によってくす球が割られ、藤原市長からデジタルカメラなどの記念品が進呈された。藤原市長は｢奈良の良さが表れている（展示中の）入江氏の写真に親しんでもらえれば。おめでとうございます｣などと祝いの言葉を贈った。

　奈良に観光で訪れ、電車の到着が遅れたり駐車場が満車だったりして観光の予定を変更したことなどの偶然が重なりめでたく100万人目となった芳賀さん夫妻は｢びっくりしたがいい日になった｣と笑みを浮かべた。

　同館は、約半世紀にわたり奈良大和路の風景や仏像、伝統行事を撮り続けた写真家の入江泰吉氏が8万点にも及ぶ全作品を奈良に寄贈したことをきっかけに、建築家の黒川記章氏が設計を手がけ、1992年に西日本で最初の写真美術館として開館した。建物は、外壁がガラスで囲われ屋根が浮いて見えるようなデザインで、航空機の翼のような現代的造形が特徴。

　清水館長は｢職員一同一丸となって幅広い世代の人にどんどん来てもらえるような良い企画を打ち出していきたい｣と意気込みを見せる。開館時間は9時～5時（入館は16時30分まで）。月曜休館。